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『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』観ました 感想・ネタバレあり

投稿日:2017年9月25日 更新日:

映画『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』を観ました。

【ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち】
原題:Miss Peregrine's Home for Peculiar Children
製作年:2016年 製作国:アメリカ

公式トレーラーはこちら

あらすじ
周囲に馴染めない、孤独な少年・ジェイク。
彼のたった一人の理解者である祖父が、謎の死を遂げたことから物語が始まる。
祖父の遺言に従い、小さな島を訪れたジェイクは、森の奥の屋敷で暮らす、
ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたちと出会う。
彼らとの穏やかな日常を過ごしたジェイクは、やがて自分の中に眠るあるチカラに気づき、
屋敷に迫る大きな脅威と立ち向かうこととなるのだが…

奇妙だったり、不思議だったりする人物を映した、古い写真たちからインスピレーションを得た、
ランサム・リグスの「はやぶさが守る家」が原作となった映画。
「ティム・バートン史上、最も奇妙」と謳われ、きみょかわいい、なんて言葉も生まれたり生まれなかったり。

「ティム・バートン的」と表現される、ダークな世界観とかブラックユーモア、切ないまでの孤独、といったものを求める人は、 少し物足りなさを感じるかも。
それでも、圧倒的な映像の美しさ。(CGじゃなくて実景を取り入れた空間の美しさが素晴らしい!)
周りと違うことで孤独を抱える少年の心の描き方。
くすり、と笑ってしまうようなシュールさ。
やっぱり、ティム・バートンの世界でした。

ミス・ペレグリンとこどもたちが暮らすのは、毎日同じ24時間が繰り返される、安全なループ。
こどもたちは、奇妙(=人と違う)であるから孤独で、この屋敷のループの中でしか生きることができないのです。
周囲と馴染めず、孤独を抱えるジェイクが、彼らとの出会いで少しずつ心をほぐしていく様子が、あたたかい。

でも、毎日同じ時間が繰り返される中で生きるって、どんな気持ちなんだろ。
同じ事象が繰り返されても、感情は変化したり、深まったりするわけで。
永遠に同じ一日を繰り返しながら、永遠に生き続ける。
安全であるために。死なないために。ってわかっていても、そこに悲しさを覚えてしまうのは、
きっと私が欲張りな人間だからなのでしょう。

以下、ネタバレ含みます。

登場するこどもたちは、本当に奇妙。
でも、ひとりひとりが、愛情を持って描かれていて、やたら愛しい。

こどもたちが、それぞれの能力を解き放って戦うシーンがあるのですが、
とにかく痛快!
観ていて気持ち良いほどの、解き放ちっぷり!
奇妙さは、同時に素晴らしさである、と教えてくれるシーンです。

戦闘シーンで注目すべきは、なんといっても、双子!
最強すぎる!無敵じゃんっ!そして、そのパワーをもっと早く発揮してくれ!

そして、この映画で圧倒的な存在感を放っているのが、ミス・ペレグリンを演じるエヴァ・グリーン。
美しすぎて、厳しすぎて、こわくて、そして強い。
美しくて、愛情あふれる人なんだけど、その厳格さが、非常にリアル。

彼女が、自分の身を差し出して、こどもたちを守ろうとするシーンの、
あの表情。
思わず、ぞくり、とします。
そして、どんな気持ちで最後の言葉を告げたんだろう、と思うと、胸にこみ上げてくるものがあります。

人と違うことは、悪いことじゃない。
様々な可能性を、人は手にしているんだ。
なんて、前向きなメッセージが、きらめく光のように、観る人の胸に届くような作品でした。

ティム・バートン監督のカメオ出演シーンがあったり、
サミュエル・L・ジャクソンの安定の悪魔っぷりだったり、
こまかいところまで楽しむことができる映画ですよ。

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