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『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』観ました 感想・ネタバレあり

投稿日:2017年10月3日 更新日:

『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』を観ました。

原題:A Street Cat Named Bob
製作年:2016年 製作国:イギリス

あらすじ
ロンドンでミュージシャンを目指すジェームズ。しかし夢を叶えることができず、
薬物に依存し、家族には見放され、ホームレスとして生きる日々。人生のどん底を味わっていた。
そんな彼のもとに迷い込んだ、一匹の野良猫。
足を怪我していたその猫を、ボブと名付け、有り金をはたいて看病するジェームズ。
その日から“ふたり”の生活が始まった。

世界的ベストセラーとなった「ボブという名のストリートキャット」を、
映画「英国王のスピーチ」のスタッフが映画化!
ということで、猫好きならずとも注目された作品です。

オフィシャルトレイラ―はこちら。

私は、猫好き!かつイギリス映画が好き!ということで、
これは観ないわけにはいかないでしょ!!!と、公開を楽しみにしていました。

原作も、すこし前にkindleで読んでいましたー。
原作は、動物モノにありがちな、お涙頂戴な展開ではなく、
事実を比較的淡々と綴っていて(私の英語力の薄さのせいでそう感じたのかもだけど)、
それでも、主人公ジェームズとボブの確かな絆に、心があたたかくなるお話でした。

映画はどんな感じなのかなー。
期待度がむくむくと高まる中、 ようやく!私の住む地域でも公開されました。
…私の住む地方は、ほとんどの映画が最新で上映されないのです。
こちらに移ってきたばかりの頃は、その時間差に愕然としました。笑…

さてさて。映画は、based on the true storyなのですが、
原作にはない映画オリジナルのキャラクターが出てきます。
それが、ジェームズのガールフレンド(?)のベティです。
うーん…
ベティは、ヒッピーでヴィーガンで動物愛護者で…という設定なのですが、
「いかにも」なステレオタイプ。もうちょっと描き方なかったのかな。
私が観たいのは、ジェームズとボブの心の交流!
ジェームズとベティのお話は、特に必要ないなー。と感じました。

そして、ジェームズの更生をサポートするカウンセラー・ヴァルに
ダウントン・アビーのアンナを演じたジョアンヌ・フロガット!
彼女は、強くてあたたかい役がとっても似合いますね。素敵でした。

なんといっても、この映画の見所ナンバーワンに挙げたいのは、
ボブ!
なんと、本人(本猫?)が本人役として出演しているのです!

演技指導を受けたわけではないらしいのですが、堂々とカメラの前で演技をしています。
強いまなざし、しっぽの振り方、ジェームズ役のルーク・トレッダウェイに寄り添う姿、
そして、ハイタッチ!!!
もう、どこを切り取っても、堂々たる貫禄!
そして、モフりたくなる可愛さ…♡
そのしっぽ、そのお手手、にゃがにゃがしていいですかっっっ!?
…はっっ!

ジェームズと出会った頃のボブは子猫だったはずなので、
さすがに、その頃のボブを、現在の年齢・推定11歳のボブが演じるのは、ちょっと違和感?
とか、観る前は思ってたのですが…
もはや関係なし!
かわいいもんはかわいいのだ!

しかし、ボブは、ややふくよかボディなのですが、
動物病院で、ジェームズが「ボブは痩せすぎなのかな…」と心配するシーンでは、
「大丈夫だよ…!」
と突っ込みを入れてしまいました。笑

誰からも相手にされない。
路上で演奏していても、「透明人間」扱いされる。
意思が弱く、薬物から抜け出そうとしては依存する、というループを繰り返す。
そんな、人生のどん底をさまようジェームズ。
そして、そんな彼の日常に突然現れたボブ。
「ボブを守らなくちゃ」
と、ボブに対する責任を感じることで、ジェームズは生きる意味を見出していくようになります。
ボブは、ジェームズの支えとなり、生きるためのチカラとなっていくのです。

ボブとの暮らしの中で、
徐々に周囲の人との関係も深め、
更生への道を歩きはじめるジェームズの姿は、
「頑張れっ!」
と胸を熱くして、応援したくなります。
誰にでも与えられている、セカンドチャンス。
それを、必死で掴むジェームズと、その支えとなるボブの姿は、ほんとにじんわりします。

人は、ひとりでは生きていけない。
誰かと生きる人生のあたたかさ、強さを、噛みしめることのできる作品でした。

原作者のジェームズ・ボーエンは、本がベストセラーになったことで、路上生活から抜け出し、
現在は、ホームレスの支援活動や、動物愛護のための活動をしているそうです。
大金持ちになることを望んでいるのではなく、
ボブとささやかな幸せを楽しむことができる生活を送りたい、と言っているのだそう。

ちなみに、ジャパンプレミアに、この“ふたり”が来日したそう!
会いたかったなー!

猫好きとしては、おうちでまったりと観たい一本。
はぁ、ボブをもふもふしてハイタッチしたい…。

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