アラン・リックマン

『ウインター・ゲスト』観ました 感想・ネタバレあり

投稿日:2018年2月3日 更新日:

映画『ウインター・ゲスト』を観ました。

原題:The Winter Guest
製作年:1997年 製作国:イギリス

あらすじ

2月の凍てつくような寒さのスコットランドを舞台にした、オムニバス形式の作品。
半年前に夫を失い、喪失感から抜け出せない写真家・フランシス。そんな娘を心配し、世話を焼く老母エルスペス。
偶然の出会いから、学校を休む羽目になり、共に時間を過ごすフランシスの息子・アレックスとニータ。
友人の葬儀に向かうため、バスを待つ老婦人、リリーとクロエ。
学校をサボって外で遊ぶ少年、サムとトム。
なにか大きな出来事が起こるわけではない、4組の「ふたり」の、とある冬の日を描いた作品。

なぁこの感想

アラン・リックマンの初監督作品。

この映画を観たとき、
なんとも言葉にできないような気持ちを抱きました。

静かに、静かに物語が進んでいって、
本当に静かに、そっと登場人物たちの心がやわらかくなっていく、ただそれだけなのに、
力強さや、光を感じることのできる作品です。

思い出す、なんでもないけど確実に幸せだった時間

この映画を観て思い出すのは、
祖父母宅に流れる、時間。
庭の花に水をやる祖父、玄関の掃き掃除をする祖母の影や音。
縁側の日向で新聞を読む祖父、みかんをむく祖母。
あずきバーを食べよう、でも硬いから、少し溶かしてから食べるのが一番いいんだ、
と言いながら、日向でアイスが溶けるのを待つ時間。
あぁ、なんてことはない日常だ。でも、美しい日常。

ありふれて、他愛ない毎日の積み重ねが、
実はとっても愛おしい。
そんなことを思い出させてくれる映画でした。

今久しぶりにこの記事に手を入れていて、
たった数年前のこの日常が、もう戻ってこない日常であることに愕然としました。
時間の流れ…
ほんとに。ありふれた毎日の積み重ねが幸せだったって後になるとわかるんだね。

こんな映画撮っちゃうなんて、アランってなんて人なんだ!
また惚れたよっ!

スコットランドの底寒さを感じる描写

徹底的に寒い!!!と感じさせるような、冬のスコットランドの描写も見ごたえがあります。
凍る海は、CGを駆使して表現したそうですが、
それ以外の描写も、観てるだけで爪先や指先、鼻の頭が痛くなるような寒さ。
登場人物たちの、孤独を際立たせています。

その寒さの中、少しずつ、人々の心が寄り添うストーリーが、
厳しくて辛い、でもやがて春を迎えるこの季節と、とてもマッチしていました。

本物の親子が織りなすたいせつな感情

フランシス役には、エマ・トンプソン。そして彼女の実母であるフィリダ・ローが母エルスペス役を演じています。
本当の親子だからこそ出せる、空気感。
干渉しないで、うっとおしいな、といった娘の感情や、
娘のことが心配で心配で、ついつい世話を焼きたくなっちゃう母の気持ち、
うまくかみ合わないけど、お互いとってもたいせつに思いあってる、って表現が、素敵でした。

私は、老婦人ふたりのお話が好きだったな。

ちなみにちなみに。
アランも出演しています!
ほんの一瞬だし、顔もしっかりとは映ってないけど、
あの乙女な動きは、絶対アラン!!!笑
皆さんも、どこに出ているか探してみてください☆

-アラン・リックマン

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