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『ワンダー 君は太陽』観ました 感想・ネタバレあり

投稿日:2018年6月24日 更新日:

映画『ワンダー 君は太陽』を観ました。

原題:Wonder
製作国:アメリカ 製作年:2017年

あらすじ
10歳の少年オギーは、生まれつきの障がいにより、人とは違う顔をもっていた。幼い頃からずっと、母イザベルと自宅学習をしてきた彼は、小学5年生になって初めて学校へ通うことに。はじめのうちは同級生たちからじろじろ眺められたり避けられたりするオギーだったが、オギーの行動によって同級生たちは少しずつ変わっていく…。

※ネタバレしています。まだ観ていない方はご注意を。
『ルーム』で全世界に衝撃を与えた子役、ジェイコブ・トレンブレイがオギ―役を熱演。
母・イザベルにジュリア・ロバーツ。父・ネートにオーウェン・ウィルソン。

この作品は、いわば涙テロ。
ストーリーもそうですが、
ジェイコブ・トレンブレイのあのかわいらしい声でこの物語を語られたら、もうズルい。
私は、いろんなことに感動して涙できるような、優しい性格ではないけれど(アラン関連では涙腺ユルいですが)、
この作品では何度も熱いものがこみあげてきました。
泣ける映画、というか、泣くための映画。
涙を我慢しようとするのは、きっと無駄な抵抗なので、諦めて、思いっきり涙しながら観るのがいいでしょう。
実際、劇場内では、すすり泣きの気配をあちらこちらから感じました。
劇場内すすり泣き蔓延度(管理人調べ)では、近年ダントツ1位の作品です。

とにかく、優しくてあたたかくて、愛しい。ありきたりの言葉しか浮かびませんが、
そんな作品。

いろいろ思うことはあります。
世界は、ほんとはこんなに優しくない。

この作品に出てくる大人たちは、とにかくあたたかくて、強い。
でも、現実の世界は、こんな大人たちばかりじゃない。
人と違うことに敏感で、
臭いものに蓋をするように、見ないふりをしたり、
かわいそうに、なんて目で見たり、言葉にしたり。
差別はいけない、ってわかっている大人だからこその言動が、
オギ―のような子供には突き刺さることだってある。

その点、子どもたちの心情の描写は、リアリティがあって素晴らしかった。
一緒になって辛くなったり、悲しくなったり、傷ついたり。
そしてうれしくなって。
感情を揺さぶる旅をすることができます。

オギ―の姉・ヴィアは、
オギ―が特別な存在だから、オギ―が家族の太陽だから、
私は両親を困らせないようにして育ってきた、と回想します。
私を見て、私のことも気にして、と口にすることもできず、
それでもオギ―が大好きなヴィア。
なんて素晴らしいお姉ちゃんなんだ。
感情移入するなら、ヴィアの立場なんだけど、
私はこんなに立派なお姉ちゃんにはなれなかった。

ヴィアが、
誰にだって嫌な一日はある。
友達に傷つけられて、悲しい気持ちになることなんて、学校生活ではよくあること。
自分だけが特別だなんて思わないで!
とオギ―に語りかけるところ、私は好きです。
ヴィアは、オギ―のこと、かわいそうな子、普通じゃない子なんて思ってないんだな、って感じる。

ジェイコブ・トレンブレイ君ももちろん超絶素晴らしいのですが、
彼と出会い、やがて親友になるジャック役のノア・ジュプ君が、やたら素敵でした。
にやって笑う顔、
殴り合いのケンカの強い目、
オギ―と出会うきっかけとなった、母親との会話のシーンの、凛とした表情…。

この作品には、
正しいことと思いやりのあること、選択に迷ったら
思いやりのあることをしなさい。
というメッセージが、込められていると思うのですが、
ジャックはまさにその象徴。
かっこよかったです。

この作品を観て、
世界はこんなに優しくない、
なんて思ってしまう今の世がせつないですが、
いつかこの作品が、ありふれたお話になるような日がくればいい。
というか、そんな世の中にしなきゃいけない。

辛い日が続いたら。
頑張れる気力がわかなくなったら。
この映画を観て、いっぱい泣いて、
そしてまた歩き出そう。
そんな作品でした。

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